北批判掲載で廃刊 中国・独立系隔月刊誌

 【北京=野口東秀】大胆な改革論調で知られる中国の独立系隔月刊誌、「戦略と管理」がこのほど事実上の廃刊に追い込まれたことが二十日、明らかになった。
 同誌は先月、店頭販売禁止に加え在庫の没収という処分を受けていたことが判明していた。関係筋によると、最新号が掲載した北朝鮮批判論文が停刊の背景にあるという。
 同誌の出版元から定期購読者に、支払い済みの予約金を返還する通知が送られてきたことで、停刊の事実が分かった。
 出版元は「業界関係の理由。ビジネス上の問題だ」としているが、関係筋は最新号が店頭販売禁止となったうえ、在庫をすべて没収される措置を受けたことを踏まえ、「新たな視点で朝鮮問題と北東アジア情勢を観る」と題した天津社会科学院対外経済研究所の王忠文氏の論文が停刊の背景にあることを示唆した。
 論文は、北朝鮮の体制を批判したうえで、「中国の支持と経済援助に感謝せず、このような性質の国に中国が全面的に支持する道義的責任はない」と、厳しく指摘していた。同筋は北朝鮮側がこの論文に反発し、中国当局北朝鮮に配慮した可能性に言及している。
 同誌は一九九三年に創刊され、政策決定にもかかわる著名学者らが内外の政治、経済、社会に関し斬新な論文を掲載してきた。
産経新聞) - 9月21日3時7分更新