小泉新内閣
小泉首相(自民党総裁)は27日午後、内閣改造を行い、自民、公明両党による第2次小泉改造内閣を発足させた。新設した郵政民営化担当相を竹中経済財政相に兼務させたほか、郵政民営化の基本方針立案にあたった主要閣僚を留任させた。内閣改造に先立つ党役員人事でも、幹事長に郵政民営化推進派の武部勤衆院議院運営委員長を起用。郵政民営化法案のとりまとめと法案審議を最重視する姿勢を打ち出した。また、米軍再編や北朝鮮による拉致問題解決などに取り組むため、外相に町村信孝自民党総務局長をあてるとともに、川口外相と山崎拓前同党副総裁を首相補佐官に起用した。
首相は昨年11月、総選挙後の国会で再度の首相指名を受けて「第2次小泉内閣」を発足。今回は、第2次内閣が発足して初めての改造となる。
改造で、首相は郵政民営化の法案化作業や国会審議を最も重視しており、経済財政相として郵政民営化を主導してきた竹中氏を担当相にあてた。兼務していた金融相は外し、竹中氏とともに金融改革にあたってきた伊藤達也内閣府副大臣(金融担当)を起用。麻生総務相、谷垣財務相、中川経済産業相を留任させ、郵政民営化や国と地方の税財政の「三位一体改革」など、経済政策の路線は維持される。
外交・安全保障分野では、同じ森派出身の町村氏を外相に起用。首相は、中国など近隣諸国との関係改善や、北朝鮮問題では平壌宣言を踏まえて拉致や核の問題に取り組むよう指示した。また、防衛庁長官には党国防部会長を経験している大野功統前衆院議院運営委員長を起用した。
一方、外交担当の首相補佐官に川口氏、首相の特命事項を担当する首相補佐官に、日米同盟強化や自衛隊のイラク派遣などを首相に進言してきた山崎氏を起用。外交・安保分野でも、従来の路線は維持される見通しだ。細田官房長官も留任させた。
経済産業相には、公明党が北側一雄同党政調会長をあてるよう求め、首相側がその意向を尊重する姿勢を伝えたため、公明党側は北側氏の起用が固まったとみていた。だが、首相が主要な経済閣僚の留任を決めたため、北側氏は同党が次に望んでいた国土交通相に就くことになった。
新内閣では、17人の閣僚のうち、首相が属していた森派の議員が5人を占めた。これまでも首相の「森派偏重」が指摘されてきたが、改造前より2人増えた。留任が6閣僚に及ぶこととあわせ、身近な議員で国政を進める姿勢が顕著になっている。
また、首相はこれまで非議員を積極的に登用してきたが、竹中氏が参院議員となったこともあり、今回は一人もいない。女性閣僚も改造前から1人減り、2人となった。
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27日午後発表された第二次小泉改造内閣の顔ぶれは次の通り(敬称略)。
総務 麻生太郎
法務 南野知恵子
外務 町村信孝
財務 谷垣禎一
文部科学 中山成彬
厚生労働 尾辻秀久
農水 島村宜伸
経済産業 中川昭一
国土交通 北側一雄
環境・沖縄北方 小池百合子
官房 細田博之
防衛 大野功統
金融 伊藤達也
科学技術・食品安全・IT 棚橋泰文
(09/27 19:59)