首を切られた遺体発見、若いアジア人男性か バグダッド(ASAHI)

 AFP通信などによると、イラク内務省の広報担当者は、イラクの首都バグダッドのハイファ通り近くの病院裏で30日、首を切られた若いアジア人男性とみられる遺体が見つかったことを明らかにした。遺体はパトロール中の警察官が見つけたといい、切断された首と遺体が星条旗にくるまれていたという。遺体は地元の病院に運ばれたが、イラク武装勢力に拘束された福岡県直方市香田証生さん(24)かどうかは確認されていない。

 発見した警官の話では、遺体は比較的新しく、ベージュ色のTシャツにジーンズ姿で、手足が縛られていた。また、2発の銃弾による傷があるという情報や、血に染まったTシャツ姿という情報もあるという。

 現場周辺は反米勢力の拠点となっている。

 これに伴い、日本政府は首相官邸と外務省が遺体の身元確認を進めている。31日未明、首相官邸には、首相秘書官や外務省幹部らが駆けつけた。

 香田さんの安否情報をめぐっては、30日未明にもバグダッド北方のバラドで男性の遺体が見つかり、一時は日本政府が香田さんとみられるとの情報を公表したが、日本大使館の医務官が調べた結果、まったくの別人だった。こうした経緯を踏まえて、政府は確認に慎重な姿勢だ。

 香田さんは18日にイスラエルからヨルダンに入り、20日、アンマンのホテルを出て、長距離バスでイラクへ向かった。21日にバグダッドに到着。23日昼前にバグダッドのバスターミナルに現れたが、アンマン行きのバスが運休だったため立ち去ったという。それ以降の足取りに関する情報は途絶えていた。

(10/31 07:37)