今年の貿易総額で中国、日本抜き3位へ(nikkei)

 【北京=吉田忠則】中国の貿易総額が2004年に日本を抜いて世界三位になることが確実になった。輸出入の合計額は前年比で30%増の1兆1000億ドル(約117兆円)に達する見通し。中国では世界貿易機関WTO)加盟後、「世界の工場」として有力企業の進出が加速、貿易相手国・地域も従来首位の日本に代わり米国や欧州連合(EU)が台頭している。一方、貿易規模の急拡大は、通商摩擦や原油高騰など世界経済の波乱要因にもなっている。

 中国側の統計によると同国の輸出入を合わせた貿易総額は今年1―8月で7221億ドルと前年同期比で38%増えた。日本は財務省統計をドル換算すると1―8月で同20%増の6581億ドル。年間では1兆ドル前後の見通しで、中国は米国、ドイツに次ぐ三位に躍進する。中国の貿易額を国・地域別にみると、昨年までは日本が首位だったが、今年1―8月はEUが一位で米国が二位に浮上。中国の取引は世界中へ急拡大し、8月までの伸び率は日本(27%)をEU(36%)と米国(36%)が上回った。 (07:00)