米軍「ファルージャ全域を占領」・武装勢力は拡散か(nikkei)

 【バーレーン=加賀谷和樹】イラク中部ファルージャ制圧作戦で、駐留米軍イラク治安部隊は13日夜から14日にかけ同市南西部などで武装勢力への攻撃を続けた。米軍当局者は13日、AP通信に米軍が市内全域を「占領した」と述べた。だが、市内から数百人の民兵が脱出したとの観測が浮上。北部モスルなどイラク各地の武装勢力と合流し、米軍側を攻撃しているもようだ。

 現地の米海兵隊司令官は14日、制圧作戦を始めた8日以降に1200人以上の武装勢力を殺害し、米兵31人とイラク兵6人も死亡したと発表した。別の米海兵隊士官は「民兵がいるかどうか一軒ずつ調べるのにあと4、5日かかる」と説明した。武装勢力側は衛星テレビを通じ全市制圧の見方を否定した。

 モスルでは10日ごろから警察署や外国企業事務所などが武装集団に襲われ、略奪や放火が続いた。14日には現地に急派された米軍、イラク治安部隊と市内の一部を占拠した武装集団が交戦した。バグダッドとモスルの中間にあるバイジでも米軍がヘリコプターや戦車で武装集団を攻撃、多数の死傷者が出ている。 (22:31)