北朝鮮で金総書記の肖像画撤去? イタル・タス通信報道(ASAHI)

 北京発のイタル・タス通信は16日、北朝鮮の最高指導者である金正日総書記の肖像画が、同国内の政府系施設などから撤去され始めていると伝えた。韓国政府筋によると、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相は「そういう証言があることは承知しているが、確認できない。もう少し様子を見なければいけない」と語った。

 平壌駐在の外交官の話として同通信が伝えたところによると、総書記の肖像画を取り外すよう「秘密指令」が出された。指令を出した機関や理由は不明。

 人民文化宮殿では故金日成主席の肖像画が残るだけで、金総書記の肖像画が掲げてあった場所はくっきりと黄ばんだ跡と、くぎが残っているだけだったという。

 北京発のロイター通信も同日、平壌の外交官との電話で、いくつかの施設から肖像画が一つ消えているのを見たとの証言を報じた。

 一方、北京の北朝鮮大使館では撤去されていない。朝鮮総連(東京)の幹部は「撤去の指令はまったくない」と否定した。単なる付け替えではないかとの見方もある。

 ラヂオプレスによると、金総書記の動静は軍部隊を視察したという2日の報道が最後。ただし、金総書記が15日にはアラファト議長の死去でパレスチナ大使館に花輪を贈り、16日にはシリアのアサド大統領に無血クーデター34周年の祝電(15日付)を送ったことが報道されている。

(11/16 22:30)