為替介入しても流れを止めることは難しい=経団連会長 [ロイター]

2004年 11月 22日 月曜日 17:02 JST

 [東京 22日 ロイター] 日本経団連奥田会長は定例の会見で、現在の為替水準について、円高過ぎるとの認識を示した。そのうえで同会長は、今の為替水準が長く続くと企業業績に影響が出る、との見解を示した。さらに同会長は、為替市場の動きに関連して、介入しても流れを止めることは非常に難しいと思う、と語った。
奥田会長は、為替相場に関連して、「従来から為替水準は、1ドル=110円から105円が一番言い水準と言っている。輸出各社の社内予想は105円から110円となっており、今の状態が長く続けば、企業業績に影響が出る」と述べた。

また、同会長は、為替介入について、介入は国の判断で企業業績や経済にどのような影響があるかを考えて行うものとしてうえで、「ただ、介入しても(円高の)流れを止めることは非常に難しいと思う。そこを理解しておく必要がある」と述べた。

さらに奥田会長は、「円高といっているが、世界的にはドル安。そのベースには、双子の赤字グリーンスパンFRB議長の発言が契機となっている。また、ブッシュ政権のスタッフが交代したことで、その影響を見た方がよい。為替相場は変動しており、まだ様子を見た方がよいと思う」と述べた。

輸出企業の円高に対する耐久力について同会長は、「販売価格に転嫁したり、原価の下げで円高を吸収するなど対応の余地はまだ残っている」との考えを示した。
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