<台湾>立法院選挙 野党連合114議席、過半数を制す

 【台北・成沢健一】台湾の国会に当たる立法院(定数225)選挙は、11日の投開票の結果、国民党と親民党の野党連合が114議席を獲得し、過半数を制した。民進党台湾団結連盟(台連)の与党連合は100議席にとどまった。00年5月に陳水扁政権が発足して以来の少数与党体制が今後も続くことになり、陳総統の「脱中国」化路線に一定の歯止めをかけることになりそうだ。
 中央選管が発表した開票結果によると、陳総統が主席を務める民進党は88議席李登輝前総統が主導する台連は12議席だった。国民党は80議席と躍進し、前回選挙で倍増した反動が懸念された親民党は34議席を得た。
 3月に陳総統が再選を果たしてから初の全島規模の選挙。「台湾人意識」の高まりを追い風にした与党連合は、過半数を獲得して陳総統が公約に掲げる憲法改正に弾みをつけることを目指していた。だが、陳総統が選挙戦終盤に、在外機関や公営企業の名称に「台湾」を入れる方針を打ち出すなど、より独立色の強い台連からの票の取り込みを狙った戦術を進め、両党が支持層を食い合う形となった。
 野党連合は選挙協力が一部選挙区にとどまり、劣勢も伝えられていた。しかし、「憲法改正など自立化路線を急げば、中台関係の緊張が高まる」との訴えが、中国本土での事業を拡大する経済界だけでなく、中台の緊張に不安を抱く中間層にも浸透し、支持を広げたとみられる。
 立法院は次回選挙(07年)から定数を113に半減し、任期も3年から4年とすることが決まっている。今回の結果は、今後の政界再編にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。
毎日新聞) - 12月11日21時48分更新