北朝鮮、6者協議参加を無期限中断 核兵器製造も宣言(ASAHI)

 北朝鮮外務省は10日、声明を発表し、第2期ブッシュ米政権が敵視政策を変えていないとして、「6者協議への参加を無期限、中断する」と表明した。また、「自衛のために核兵器を製造した」と明言、核兵器の製造・保有を初めて公式に宣言した。北朝鮮側には米国との個別交渉を有利に運ぼうとする意図があるとみられるが、この声明により、日米中韓ロ5カ国が目指している核問題解決のための同協議の早期再開は不透明な情勢になった。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信が声明を報じた。第2期ブッシュ政権が発足して以降、6者協議に対する初の態度表明。核兵器について北朝鮮はこれまでも製造・保有を示唆する発言を繰り返したが、外務省声明で公式に明示したのは初めて。

 声明は、ライス米国務長官が就任する前の1月、世界の「圧制の拠点」の一つとしてキューバミャンマービルマ)などとともに北朝鮮を名指ししたことに関連し、「ブッシュ政権が(北朝鮮に)『圧制の拠点』との烙印(らくいん)を押した以上、再び6者協議に臨むいかなる名分もない」と非難。「協議の結果を期待できる十分な条件と雰囲気がもたらされたと認められる時まで、6者協議への参加を無期限中断する」と表明した。

 声明はただ、「対話と交渉を通じて問題を解決しようとする我々の原則的な立場には変わりはない」とも述べ、条件次第では6者協議に復帰する含みを持たせた。

 また、声明は「米国が核のこん棒を振り回して我が制度を抹殺する企図を明白にした以上、人民が選択した思想と制度、自由と民主主義を守るため核兵器庫を増やす対策をとる」と表明。「我々は既に、自衛のために核兵器を製造した」と言明した。

 さらに日本について声明は「既に解決した拉致問題にかこつけてニセ遺骨問題まで捏造(ねつぞう)し、平壌宣言を白紙に戻し、国交正常化をしないという日本と、どうして一堂に会して会談を行えるか」と批判した。

(02/10 23:24)