米のミサイル防衛 迎撃実験また失敗 実戦配備遠のく(サンケイ)

 【ワシントン=近藤豊和】米国が推進するミサイル防衛(MD)を主管する米ミサイル防衛庁は十四日、アラスカ沖から発射した模擬弾道標的ミサイルを太平洋上のマーシャル諸島から発射した迎撃ミサイルで撃ち落とす実験に失敗した、と発表した。
 迎撃ミサイルが発射できなかったのが原因で、地上配備型の迎撃実験の失敗は、二〇〇二年十二月と昨年十二月に続き、連続三回目。MD予算が削減傾向となるなかで実戦配備はまた遠のくことになり、議会からの厳しい反発に拍車がかかりそうだ。
 ミサイル防衛庁報道官は失敗の原因について「迎撃ミサイルの地上機器の問題」と説明しているが、詳細は判明していない。
 昨年十二月の実験失敗も迎撃ミサイルそのものが発射できず、ミサイル防衛庁は「コンピューターソフトの不具合で信号送信不良を起こした」などと説明し、早期実験再開に自信を示していた。
 迎撃時の命中精度などの問題以前に、ミサイル発射そのものに二度も失敗したことは、MD開発が深刻な状況に置かれていることを示している。