台湾総統「任期中、独立宣言できない」・急進派は反発(nikkei)

 【台北=山田周平】台湾の陳水扁総統は任期中に「台湾独立」は宣言できないとの見解を明らかにした。1日深夜に開いた欧州議会議員らとの衛星会見で語った。陳総統は独立宣言などを「しない」としてきたが、初めて「できない」と明言した。従来の台湾独立志向を後退させた形で、有力な支持基盤だった急進独立派は反発している。

 親中国派の第2野党・親民党と先に対中政策で協力を決めたのを受けた路線修正とみられる。陳総統は会見で「台湾はすでに『中華民国』という主権独立国家なので独立の宣言はない」と説明。立法院(国会)で「国号」の「台湾共和国」への変更に必要な「4分の3の議員の支持を得るのは不可能」とも述べた。

 親民党との協力を受け、辜寛敏氏など急進派の重鎮が2日までに相次ぎ総統府資政(上級顧問)を辞任する意向を表明した。陳総統は「(急進派の)李登輝前総統に今日、総統職を譲ったとしても(国号変更は)できない」とも語った。 (07:00)