北朝鮮、6カ国協議に復帰する可能性を示唆

 
 [北京/ソウル 9日 ロイター] 中国と韓国は、北朝鮮に対して、同国の核をめぐる6カ国協議に復帰するように求めた。一方、北朝鮮はこの日、復帰する方法を模索している可能性を示唆した。
新華社と韓国当局者によると、対独戦勝利60周年記念式典出席のためにモスクワ入りしている温家宝・中国首相と盧武鉉・韓国大統領は8日、対話による平和的な危機解決を呼びかけた。
米政府当局者らが、北朝鮮は核実験の準備を進めている可能性がある、とした一方で、韓国外相は先週、核を巡る危機を終わらせる努力は、「重大な局面に」達した、とした。
朝鮮中央通信社(KCNA)が北朝鮮外務省の報道官が8日遅くに語ったとして報じたところによれば、北朝鮮は、米政府に北朝鮮主権国家として認める用意があるとする報道の真偽を確認し、6カ国協議の枠組みのなかで2カ国間協議を行なうため、米当局者らと会いたい、との意向を示した。
この広報担当者は、米国の立場に関するマスコミ報道に言及して、「われわれの側から何らかの要請があるとすれば、われわれは、最終的な決定を下す前に、これらの報道が真実であるかどうかを確認するため、米国側と直接会いたいという意向を表明したにすぎない」と語った。
この発言は、今のところ協議をまったく拒絶している態度を軟化させたもののようにも見えるが、北朝鮮は依然として、同国に対する「圧制の前線基地」という呼び名を撤回しない限り、米国と取り合わないとしている。
外交官やアナリストらは、北朝鮮は過去において、面目を保ちながら交渉テーブルに復帰する方法を探ってきた、と指摘している。
(ロイター) - 5月9日14時20分更新