同盟優先か民主化実現か 米、ウズベクでジレンマ

 【ワシントン、タシケント21日共同】ウズベキスタンでの反政府暴動に対する武力制圧の対応をめぐり、ブッシュ米政権は同国との同盟関係を優先するか、民主化実現を一気に推進するかのジレンマに陥っている。
 カリモフ大統領は独裁色が強く、民主化を支援する米国の非政府組織(NGO)の排除に動くなど、本来なら米政権による「圧政」批判の対象になってもおかしくない人物。その半面、2001年の米中枢同時テロを受けたアフガニスタン攻撃を契機に、米軍に基地使用と駐留を許可した「恩人」でもある。
 治安部隊が丸腰の市民に無差別発砲した13日の武力制圧では、700人以上が死亡したとも伝えられているが、米政府の非難声明が欧州連合(EU)に比べ2日も遅れ、反応が鈍かったのは「対テロ戦争」に対する貢献への配慮があったためとみられる。
共同通信) - 5月21日19時37分更新