米経常収支赤字、世界経済のリスクに・IMFが警告(nikkei)

 【ワシントン=吉田透】国際通貨基金IMF)は27日、米経済に関する2005年審査報告書を発表した。05年と06年の実質経済成長率をともに3.5%と予測。巨額の米経常収支赤字が「世界経済の大きなリスク」になると改めて警告した。

 報告書は「米経済が世界経済の機関車役を務めてきた」としたうえで、05―06年については景気拡大が続くと見通した。米連邦準備理事会(FRB)の適切な金融政策も評価した。

 中期的な懸念要因として、経常収支赤字を改めて指摘。ドル相場の調整とともに赤字が緩やかに減少するのが最も可能性が高いシナリオだとしながらも、米からの急激な資本逃避が起きて、世界の資本市場を深刻な打撃を与える恐れもあると警告した。

 米財政赤字については、09年度までに半減させるとしているブッシュ政権の取り組みを評価。米景気の拡大が続くなら、政府目標を上回るペースでの赤字削減も可能だとの見通しを示した。 (20:04)