宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)6月8日(水曜日)貳
第1148号 臨時増刊号
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
ライス vs ラムズフェルドの対立が表面化か
アーミテージ前国務副長官が次期国防長官への噂も出現
ネオコンのチャンピオンだったウォルフォウィッツ(前国防副長官)は、世界銀行新総裁となった。
ボルトンは次期国連大使の指名をうけたものの民主党の嫌がらせが数ヶ月に亘って続けられた。
ここへきてようやく上院の指名承認が確定的となった。
バイデン(民主党、ボルトン批判の急先鋒)は「ボルトン指名阻止に票が足りない」と匙を投げた。
さて「ニューズウィーク」(電子版)はホワイトハウス周辺でラムズフェルド国防長官が年内に辞任し、後任の有力候補にはアーミテージ前国務副長官の名がかなりの信憑性とともに噂されていると報じた。
ラムズフェルド長官自身は「国防戦略見直し(QDR)」を年末までに提出した後、政権を去るだろう、と予測される。
一方、ライス米国務長官は北朝鮮の核問題に関しての安保理付託について、「数週間内の決定はない」と発言し、ラムズフェルド国防省との対立姿勢を明確にした。
これはシンガポールで講演したラムズフェルド国防長官の「向こう数週間内に北朝鮮核問題を国連安保理に付託する決定が下されるだろう」とした発言を「行き過ぎた考え」と否定したことになる。
もともと国務省と国防省はそりが合わず、しかもライスは昨今「ヒラリーがでたら、共和党はライスを大統領候補に!」とする運動がワシントンで展開されるほどのライジング・スターとなっている。