郵政法案、反対13人未定27人 否決ライン18へ小差

2005年07月23日08時24分

 朝日新聞社は、郵政民営化法案に反対姿勢と見られる43人を中心に自民党参院議員に聞き取り調査を実施した。参院本会議採決に「反対」と明言したか現段階で反対の意向を固めたとみられるのは13人で、「棄権」と答えたのは1人だった。自民党から18人が反対に回れば法案は否決されるなかで、態度未定や回答拒否も27人にのぼり、否決が衆院解散・総選挙につながりかねないことを不安視する声も強い。法案の成否は、小差のせめぎ合いとなる情勢だ。

 43人はこれまでに郵政事業懇話会など反対派の会合に出席したり、党内で反対の意思を表明したりした議員。質問に対して「反対する」と回答した人は7人で、このうち荒井広幸魚住汎英亀井郁夫中川義雄長谷川憲正各氏は実名で答えた。派閥幹部らへの取材も加味すると、現時点で反対する意向と見られる議員が他に6人いる。

 この計13人の議員は、首相が拒否している継続審議や法案の大幅修正を求めており、現時点では堅い反対派と言える。

 一方、「賛成する」と回答したのは1人。賛成する意向を固めたと見られる議員も他に1人いる。

 15人は「特別委員会の議論を見て決める」として態度を明らかにしなかった。回答を拒否した議員も12人を数えた。

 参院執行部は今後、10人台半ばとみる強硬な反対派の切り崩しに全力をあげ、態度未定者に対する説得を続ける構え。反対派も否決ラインまであと一歩とみて、未定者への働きかけを強めており、多数派工作は激化しそうだ。

 調査では、法案が否決された場合の解散・総選挙の是非についても聞いた。43人のうち「首相が決めればやむを得ない」と容認した議員が5人だったのに対し、15人が「おかしいと思う」と反発、6人は「そうした事態は避けるべきだ」と否定的な見解だった。「わからない」とするか、答えなかったのは17人だった。

 さらに、態度未定・回答拒否の27人では、「おかしい」と反発する人は5人にとどまった。「避けるべきだ」と否定的な人も「やむを得ない」と同数の5人で、「反対して衆院解散になれば、党に迷惑をかける」といった解散への危機感がにじんでいる。