中国、春暁ガス田採掘か 東シナ海境界付近 日本政府が抗議

logo 2005年 8月10日 (水) 16:14

 中川昭一経済産業相は十日の記者会見で、中国が東シナ海日中中間線近くにある春暁(しゅんぎょう)(日本名・白樺)石油ガス田の本格採掘に着手した可能性があるとして、政府が中国側に抗議したことを明らかにした。

 東シナ海の石油ガス田をめぐっては、中国が数年前から日本が主張する排他的経済水域EEZ)の境界線付近で資源調査を活発化。日本政府も七月、国内の資源開発会社に試掘権を与えるなど対抗措置をとっているが、中国が本格採掘に踏み切れば新たな対応を迫られることになる。

 会見で中川経産相は、「春暁ガス田で、実用化のパイプをガス田に向かって埋め込んで、いつでも取り出せる態勢に入った可能性がある」と述べた。実際にガスが出たかどうかは確認できていない。

 政府は九日、北京駐在の堀之内秀久公使が中国当局者と面会して抗議したが、「誠意ある回答はなかった」(中川経産相)という。

 中国は同海域で、天外天、春暁、平湖の三カ所に石油ガス田の採掘施設を建設。新たに断橋(日本名・楠)ガス田の開発も計画している。日本政府は「日本側の石油ガス田と地下でつながっている」として開発中止やデータ提供を要求してきたが、中国側は応じていない。