400字で斬る国際情勢ニュース(768)

◆どぶ板選挙的になった米大統領選◆
(2004/10/12)

 11月2日に迫った米大統領選を激しく、厳しく、温かく風刺しているJibJ
abが、風刺フラッシュ漫画第2弾を発表。題して"Good to be in DC"。邦訳す
れば「ワシントン入りはいいことだ!」ぐらいか。第1回の「わが祖国」バー
ジョンは、全米いや全世界に旋風を巻き起こしアクセスが殺到したが、第2弾
のこの「ワシントンは住むにいい場所」バージョンは果たしてどういう結果を
生むか。必見の価値のあるフラッシュ漫画だ。

 今度は、共和党ブッシュ大統領民主党のケリー大統領候補に加えて、正
副大統領候補のチェイニー現副大統領(共和党)、エドワーズ上院議員(民主
党)も登場。さらに、「ラザーゲート」で醜態をさらした、CBSの著名キャ
スター、ダン・ラザー氏も出演。クリントン、ヒラリー両人も健在。マイケル
・ムーア監督も顔を出す。

 大統領選の終盤のヤマ場であるテレビ討論は、第1回(9月30日)、第2
回(10月8日)と行われたが、いずれも民主党のケリー大統領候補が共和党
ブッシュ大統領を下している。チェイニー副大統領(共和)、エドワーズ上
院議員(民主)の副大統領候補同士によるテレビ討論も10月5日実施された
が、エドワーズ氏に軍配が上がり、これまでのところ民主党陣営の一人勝ち。

 ロイター通信とゾグビー社が10月9日に発表した米大統領選挙に関する世
論調査によると、ケリー候補の支持率が46%と、ブッシュ大統領の45%を
1ポイント上回った。また、米ABCテレビが10月10日発表した世論調査
では、ブッシュ大統領の支持率が50%となり、ケリー候補の46%を4ポイ
ント上回った。文字通りのつばぜり合い、シーソーゲームと言ってよい。

 ブッシュ、ケリー両氏の第3回テレビ討論は10月13日、アリゾナ州テン
ペのアリゾナ州立大学で行われる、折から同月14ないし15日からラマダ
断食月)入りし、世界はテロ月間を迎える。イラクを制することが対テロ戦
争の根幹とするブッシュ氏か、ビンラディンを追えとするケリー氏が正しいの
か。JibJabの唱う「ワシントン入りはいいことだ!」を実現するのは果たして
誰か。(了)

【参考サイト】
http://www.jibjab.com/

国際ジャーナリスト連盟(IFJ)会員
国際情報ファイル・深層海流主幹 石川純一(文責)