市場の変化に伴う急激なドル安による調整がリスク=内閣府リポート [ロイター]

2004年 11月 5日 金曜日 18:20 JST
 [東京 5日 ロイター] 内閣府の経済財政分析統括官室は「世界経済の潮流」と題するリポートを公表し、世界経済が抱えるリスク要因のひとつは、市場の見方が変化し、米国の巨額の経常赤字が急激なドル安で調整される事態に陥ることだと指摘した。
02年春に創刊し年2回公表されている同リポートでは、世界経済の04年の成長率は前年を上回り3.8%程度になると予想。05年は成長率が低下し3.4%程度となるとの見通しを示した。

 成長へのリスク要因としては、為替レートの急激な調整を挙げ、「アメリカ経済に対する市場の見方が変化し、アメリカの巨額の経常赤字が急激なドル安により調整される方向で進むことになれば、これまで世界経済をけん引してきたアメリカの家計の購買力が低下することなどにより、世界経済の成長を急減速させるおそれもある」と懸念を示した。

 この他には、原油価格高騰の継続や、米国経済の急減速、中国経済の急減速をリスク要因として挙げた。

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