世界情勢の報告書要旨

 【ワシントン14日共同】米国家情報会議(NIC)が十三日発
表した二〇二〇年の世界情勢予測報告書の要旨は次の通り。
 一、世界の新たな主要プレーヤーとしての中国とインドの台頭は
、十九世紀のドイツ、二十世紀の米国に匹敵するもので、地政学
、劇的なインパクトを及ぼす。
 一、二〇年までに中国の国民総生産(GNP)は欧州、日本をし
のぎ、インドは欧州に並ぶ。二十世紀が米国の世紀と呼ばれるのと
同様、二十一世紀は中国、インドが率いるアジアの世紀になる。両
国台頭に伴う摩擦を抑えるのが安定化の鍵。
 一、日本は少子高齢化の危機に直面し、地域経済、特に中国との
統合を進めざるを得ない。活発な外交を支持する世論も強く、中国
に対抗するか、追随するかの選択を迫られるだろう。
 一、朝鮮半島台湾海峡ともに次の十五年で重大な局面が訪れる
だろう。これをどう解決するかが、アジア地域における米国の役割
、日本の地位を規定する重要な要因。
 一、二〇年の時点でも、米国があらゆる次元の力を持つ最も重要
な国家であり続ける。
 一、イラク戦争は新たなテロリストを生み出し、イスラム過激派
は各地に分散。過激派による生物・核兵器獲得が最大の懸念。
20050114 1617